耐水紙・撥水紙について
食料品や弁当類、生鮮品をはじめとする水気のある商品の包装やPOPにポスター、スポーツやアウトドアにおける屋外でのメモなど、お客様のニーズの多い“水に強い紙”。
合成(耐水)紙と撥水紙について、特徴や使用感などをご紹介いたします。
水に強い紙の主な用途
1
食品包装やPOP
- 食品の包装紙や掛け紙、シール
- 冷凍・冷蔵ケース周りのPOP
- メニュー
- 紙袋
- クリーニング店などの作業札・タグ
2
生鮮食品の取り扱い
- 冷凍・冷蔵品の同封しおり、リーフレット
- 加工工程の作業札
- 産地・生産者表記
- 包装紙・巻き紙・ラベル
3
防災・アウトドア
- ハザードマップや防災関連の書類
- 屋外や水回りでの工事・作業書類やステッカー
- アウトドアやレジャー・スポーツ施設での書類、メモ、マップなど
- 封筒
4
選挙活動
- 屋外ポスター
- 投票用紙
- リーフレット
合成紙と撥水紙の特徴について
合成紙(ユポ)について
・耐水性のある合成紙のため、水に強い。
・フィルムベースなので非常に破れにくい。
・マットな表面で、筆記性は良好。
・印刷適正はまずまずだが、小ロット印刷はインクジェット印刷に限られる。
・商品により片面印刷に限られる。
・熱に弱いのでトナー印刷には不向き。
・通常の紙に比べ高価。
撥水紙(OKレインガード)について
・水にある程度の強さを持つ。
・普通の紙と同様に破れる。
・上質紙のような質感で、筆記性に優れる。
・印刷適正に優れ、レーザープリンターでの小ロットの印刷にも向いている。
・両面印刷が可能。
・合成(ユポ紙)に比べ価格が安く、加工しやすい。
こちらでは、合成紙と撥水紙について紹介しておりますが、耐水・撥水性を持つ紙は素材感も含めて多種多様なバリエーションがございます。
合成紙と撥水紙の比較テスト
耐水紙(ユポ)と撥水紙(OKレインガード)を実際に液体に浸けて、その違いを比べてみました。基本的には浸してから約3時間後の様子となります。
水道水
撥水紙、合成紙共に大きな変化は見られず、紙の破れや浸透もありません。いずれも水面に浮かんだ状態です。
水道水(冷凍)
水道水に浸けて、1晩冷凍庫で保管してみました。いずれもふやけたりせず、水に浮いた状態で凍っていました。
水道水(冷凍後冷蔵)
冷凍した状態から、冷蔵庫に移し5時間後の様子です。低温での温度変化にも関わらず破れや文字の滲みは見られません。
麦茶
ノンカフェインの麦茶に浸した様子です。いずれも浸透しておらず浮かんでいます。
烏龍茶
麦茶と異なり、撥水紙は破れはないものの、やや沈下した状態が確認できました。
コーヒー
撥水紙は液体が浸透し、完全に沈下した状態となり、合成紙との違いが顕著となりました。
赤ワイン
写真で分かる通り、コーヒーと同様に撥水紙のみ沈下する結果となりました。
結果について
合成紙、撥水紙はいずれも水に一定の"強度"を持つ結果となりました。冷凍や冷蔵といった環境でも短時間~1日では紙としての機能は損なわないのではないかと思われます。
一方、お茶やコーヒー、赤ワインに対しては一定の時間を置くと撥水紙には浸透が見られました。恐らく醤油などの調味料などに関しても水以外の添加物を含むものは似たような影響を受けることが想定されます。
製作事例
1
弁当の掛け紙
湯気による破れとコストや持ち運び時間を踏まえて作った、弁当用の撥水紙の掛け紙です。
2
商品しおり
通販用の冷凍鮮魚に同封するしおりです。ビニール包装の上への封入のため撥水紙で作成しています。
3
コロッケの掛け紙
冷凍コロッケの掛け紙です。製造・運送・販売までのサイクルを考慮し、合成紙を選択しました。
4
作業ノート
屋外作業用のノートです。天候問わず使用出来、水回りでの使用機会が多いため、表紙・本文共に合成紙で製作しました。